ピロリ菌

今日内科外来やっててピロリ菌1次除菌に不成功だった方が心配してたので、今日はピロリ菌の説明を。

ピロリ菌(以下Pちゃん)が棲んでるからと言って必ず病気になる訳ではありません。が、何らかの胃十二指腸の病気をを患ってる方は除菌した方が良いとされてます。胃癌の素地を作るとも考えられているため、たまたま見つかった胃十二指腸の病気の無い方も除菌を勧められることが多いでしょう。

そもそもPちゃんはなぜ強酸性の胃の中に棲み続けられるかというと、ウレアーゼというアルカリ性物質を産生し自分の周りを中和してるんです。このウレアーゼが胃壁を攻撃するらしいです。

多くは子供の頃に感染するPちゃんは除菌しなければず~っと棲み続けます。内視鏡・採血・呼気・便などを用いて存在が確認され、医者が「うむ。やっつけよう!」と判断したら、7日間の服薬開始です。胃酸抑制剤とアモキシリン(抗生剤)とクラリスロマイシン(抗生剤)を飲みます。副作用は下痢かなぁ。約1か月後にPちゃんの存在を確認し、まだ居続けてれば2次除菌までは保険適用です。今度はクラリスをメトロニダゾール(抗生剤・・・てか抗原虫剤)に変更。また1週間です。更に約1か月後検査して、1次除菌で約70%、2次除菌で90%の成功率にも係わらず不成功なら・・・3次(メトロをシタフロキサシンに変更)除菌、4次(アモキシリンのみ2週間)除菌までありますが、これらは自費になるのです。

不成功例で多いのは、服薬を言われた通りしなかったりアルコールやたばこかな。

どうしてもやっつけきらなければ、胃十二指腸の病気の早期発見に努めることになるんでしょう。

そんなに怖がることはありません。型どおりやって駄目でも、型どおりチェックしていけばいいだけです。もっと他に心配するべき事が沢山あります(笑)

2016年10月07日