N Engl J Med. 2016 Oct 13

インパクトファクターの大きな一流医学雑誌です。

ここに「乳癌の腫瘍径,過剰診断,およびマンモグラフィのスクリーニング効果」て論文が載りました。

結論から言うと「マンモグラフィーは死亡率に寄与しておらず、過剰診断が見られる。また最近の乳癌死亡率の減少は治療の進歩が寄与している」というものです。以前にも書きましたが、ではエコー検診は、と言うとこれも現在進行形で研究中でありちゃんとしたエビデンスはありません。

他の論文の中には「逆に被曝が(例え胸部レントゲンでも)乳癌を惹起する」なんて統計学的根拠の怪しいものもあったりします(←なら大量に被曝する宇宙飛行士やパイロット、キャビンアテンダント、世界を股にかけるビジネスマン・ウーマンなんて癌だらけの筈ですが聞いた事ありますかっての?)。

 

どう理解すればいいか?

 

他に発見の方法があればいいですが、腫瘍径1㎝以下は触知する事は困難だし、MRIの性能と時間短縮、価格破壊があれば将来的には有望かもしれませんがまだまだ未来の話です。

今見つけるにはマンモグラフィーとエコーしかない訳です。

マンモグラフィーの被曝量は極めて小さく、エコーは無害です。

 

正診率100%の検査は存在しませんが、やらなければ自覚症状(腫瘤触知か血性乳汁分泌)の無い方は100%発見されません。

 

やるか、やらないかを選択するのは自由です。

しかし”ちゃんとした”検診の成果乳癌死亡率の低下という統計学的結果をだしているのです。

 

 

2016年11月27日