住民健診と人間ドック

自治体が行う検診とは対策型検診です。一方基本自費で行う人間ドックは任意型検診です。

何が違うのか?

これ全然違います。

対策型検診はその目的が対象集団全体の死亡率を下げる事です。限られた資源の中で利益と不利益のバランスをとり集団の利益を最大化するようデザインされます。

任意型検診は個人の死亡リスクを下げる事が目的です。個人のレベルで利益と不利益のバランスをとります。

 

誤解を恐れず言えば、市の検診は将来の日本人女性の乳癌死亡率を下げるのが目的です。個人をみている訳ではありません。そのためどの年齢に何を、どんな頻度でするかが決まります。2009年に発表された研究結果では49歳以下のマンモグラフィーによる死亡率減少効果はないと結論してます。では若年者に対するエコー検診はというと、がんの発見率は上がりますがまだ死亡率減少効果までは証明されていません。

 

誤解しないで下さい。検査が無駄なわけではありません。

なんでそれをするのか。を知らずにするのが恐いのです。

 

個人に対して行うそれぞれの検査は、相応な説明がなされれば勿論有効です。

僕が定期的に来て下さいと言って行っている診察は、上記何れの検診でもありません。

言わば「非対策定数型検診(強制て言いにくいので、数学用語の任意の対義語使ってみました)」です。

いくらでも説明します。様々な事を知って頂いた上で納得して下さい。

2016年07月13日